キャタピラー [DVD]

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キャタピラー [DVD]

DVD
監督:若松孝二
出演:寺島しのぶ
出演:大西信満
出演:吉澤健
出演:粕谷佳五
出演:増田恵美
メーカー:ジェネオン・ユニバーサル
発売日:2011-04-06

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カスタマーレビュー

死の受容

昨日、隣町の小さなホールで観た。
乱歩の「芋虫」を下敷きにした作品と聞いていたが、主題が大きく異なるものと思った。
感じた主題は、反戦メッセージでもなく、夫婦の歪んでいく愛でもなく、
キューブラ・ロスの「死の受容」だった。
この場合の「死」とは、夫の死ではなく、夫婦の関係性の死である。
第一段階 「否認」
あんなの久蔵さんじゃない! イヤ!と叫ぶ妻。
第二段階 「怒り」
勲章だけが拠り所の、動物のような夫の世話をする、やり場のない妻の静かな怒り。
第三段階 「取引」
妻は、夫に軍服を着せ、勲章をつけさせ、連れ歩く。
妻は、夫が外出を嫌がると、自分が勲章をつけ人前に現れる。
軍神さまとみなに拝まれ、妻は優越感を得ることで、妻は精神の安定を得る。
本来の「取引」とは異なるが、破滅していく生活を食い止めるための代償行為である。
第四段階 「抑うつ」
これは夫に現れる。
過去の悪行の記憶にさいなまれ、性的にも不能となり、錯乱状態に陥る。
妻はここではじめて、「芋虫」と夫を呼び、ヒステリックに笑い続ける。
勲章を、額縁にいれた夫の新聞記事をたたき落とす。
第五段階 「受容」
終戦を迎えても、夫が軍神ではなく、芋虫であると認め、
建前や大義名分としての夫婦の関係が死んだことを受入れた妻の生活は変わらない。
妻は再生を果たした。
夫は同じく事実を認め、不自由な体で池に身を投げ、水死する。
原作も本作もどちらも深い主題を抱えており、どちらも素晴らしい作品と思うが、
乱歩作品の耽美的、退廃的なイメージを求めて本作を見ると、やや物足りないだろう。
寺島しのぶが見事に表現した、死の受容過程をなぞると、別の感慨が浮かぶ作品である。
エンディングでは、元ちとせの強烈すぎる歌声が流れるが、
寺島しのぶの迫力は一歩もひけをとらない、すさまじいものだった。
           

娯楽色は一切なしのガチです

問題作キャタピラーのDVD届きました。
第60回ベルリン国際映画祭で寺島しのぶが銀熊賞に輝いた作品ですけど、反戦映画として海外では評価されたようです。
戦争で四肢を失って帰って来た夫を軍神と祀られて献身的に介抱するんですけど、介護の大変さは現代でも寝たきり老人の介護で大変な思いをされてるご家族がいると思います。
でもこの作品に登場する帰還兵の夫は四肢も無くし耳も聞こえず喉も負傷して声も出ないというまだ若い男性で、劇中でも寺島しのぶ演じる妻のセリフに「これで生きてるって言えるの?」と問いかけるシーンが。
戦争の悲惨さを訴えかける作品になってます。
最初は『生きた肉の塊』のような帰還兵とその妻との食欲と性欲の繰り返しだけの映画かと思ってましたけど、ちゃんとメッセージも含まれてて深い作品ってのがこの映画を観た感想ですね。
何度も繰り返し観たい作品とは今は感じませんけど駄作ではありません。
一度は観るべき作品とだけ言っておきましょう。
特典映像では銀熊賞授賞式の模様を収録されてます。
大阪での舞台の公演のため出席できなかった寺島しのぶの代役でメッセージを読む若松監督。
そのメッセージに「戦争で殺しあうだけでは何も解決しません」という言葉が。
その一言につきる作品だと感じました。

戦争は続くよ、どこまでも

…戦地から帰還しお役御免となったら、戦争が終わる訳ではない。負傷した結果障害者となった男にとっては、“そこからが戦争”とも言えるのだ。 この状態を、世話する妻を主役にし、表現したのが今作である。共に苦しみ、結果壊れていく夫婦だけを通して、“戦争の悲惨さ”を描ききった手腕はお見事。 芋虫のような体になりながらも、最初は相変わらず妻に威圧的に振る舞う夫。…が、すぐに立場は逆転し、見せ物にされ、暴力を振るわれ、終いには妻にレイプされるに至る。そう、かつて自分が戦地でしたように。 最初は献身的だった妻。けど、農作業と夫の世話で疲弊した結果、暴力的になって行く自分を止められない……。 どちらも悪くない。そう、真に加害者なのは……。 妻役を体当たりで演じた寺島さん。そして、口さえきけない夫の喜怒哀楽を、見事に表現した大西氏に敬意を表する。そして、勿論、若松監督にも。 見て損はない秀作である。

特典映像の授賞式に感動。観る人を選ぶ映画です。

冒頭、日支事変での日本軍の「粗暴」が描かれる。
これに加担した久蔵の悔いが、反戦のキーポイントとして展開していくのだが、まあ後味は悪いシャシンだ。
ゆえに、これは観る人を選ぶ作品だといえよう。
自分の夫が、手足切断の上、言葉も話せず、耳も聞こえない状態で復員したら、妻は錯乱してしまう。
このショッキングさから若松監督は「反戦」を盛り込もうとしたのだが、確かにこんな手法の戦争映画はなかった。
自分の映画鑑賞史から言っても、MGMの大問題作「フリークス」や「エレファントマン」を観たときのような
気味悪さを感じた。
久蔵は戦地での活躍で「軍神」と崇められている設定だが、本人にしてみれば、そんなことはどうでもよく、
復員後は不自由な食欲と性欲のみが己を支配することに愕然とし、また戦場での犯罪行為を思い出して怯える・・・。
妻からも徐々に冷たくあしらわれるようになるのは、観客以外に久蔵の苦しみを理解できないもどかしさもある。
そういう「超プライベート」なストーリーの中に「国家」とか「原子爆弾」とかを入れ込むから、かえって
メッセージが伝わりにくい結果になってしまったと思う。
久蔵とシゲ子の主観映像だけで進行した方が、悲惨さ、むなしさはもっと訴えられたはずだ。
寺島しのぶと大西信満の芝居は素晴らしく、寺島がベルリンで主演女優賞を得たのも納得の出来だった。
メイキングを観ると、本作は12日間で撮っていることがわかる。
この規模の作品だったら、通常1〜2カ月はかかりそうなものだが、さすが職人監督は違う。
感動したのは、蜷川幸雄の舞台で金獅子のトロフィーが寺島に手渡された映像だ。
当地で受賞するよりも、大阪でスピーチした方が百倍響く。
本当に反戦を感じたいのならば「硫黄島からの手紙」でも「プライベートライアン」でもいくらでもある。
この作品は「戦争を考える」という観点からは大きく離れるので、そのあたり念頭に入れた方がよいだろう。
星は3つです。

寺島しのぶの怖さ

 ベルリン国際映画祭で寺島しのぶが銀熊賞を受賞し、国内外の映画賞を多数受賞した話題作。「キネマ旬報」ベスト・テンでも日本映画で第6位と評価が高い作品だが、見終わってから考え込んでしまった。
 戦争から戻ってきた夫は、両手足を失い、耳も聞こえず口もきけない。黒川久蔵(大西信満)の姿は戦争が生み出した不幸そのものなのだが、恐ろしいのは「軍神」と崇められる夫の世話をせざる得ない妻のシゲ子(寺島しのぶ)の方である。醜い姿に半狂乱になりながらも、かつての面影を認めて夫との生活を再開するが、もはや人間とはいえない夫との生活に疲れ果て、彼女も徐々に狂気に染められていく。「告白」の松たか子も怖かったが、それ以上に寺島しのぶが怖い。いわゆる「美人女優」ではないものの、独特の雰囲気を持った女優で、常に彼女が演じる役柄は、彼女でなければ演じられないと思わせるものばかりである。
 さて、考え込んだのはなぜかというと、この作品のテーマをどこに見いだすべきか自分なりの答えが見つからなかったのだ。戦争というのは人間の運命を狂わせる恐ろしいものなのだ、という単純な受け取り方でいいのだろうか。
 エンディングテーマは、ヒロシマの原爆で犠牲となった少女をモチーフにした「死んだ女の子」という曲。元ちとせが歌うこの曲が、直接物語とは関係ないのに不思議に心に残った。

少し説明が多いのが気になりますが秀作です

 寺島しのぶの演技が素晴らしいです。夫を戦地に送り出すところから
変わり果てた姿で帰ってきた夫を見る姿、心の葛藤を経ながらやがて
受容していく流れ。
 一人の平凡な日本人の妻が戦地の悲惨な状況を直接見ることなく
いきなり手足の無くなった夫を見せつけられることにより戦争を
体験していく不条理さ。
 一人で湯浴みをする後姿。正座をした足の裏の汚れ。
そのどれもが完璧なまでの演技力により表現されていて
ただただ感心するばかりです。
 戦争についての説明が多いのは戦争をあまり知らない若い人たちに
向けてのものなのかもしれませんが、明らかに映像のトーンが変わるので
あまりいい感じはしませんでした。過剰な説明がなくても十分すぎる
ほど戦争の不条理を感じる映画です。
 最後はやっぱり原作通り井戸の方が深みが出ると思います。

『ジョニーは戦場へ行った』を彷彿とさせる衝撃作!

★この「キャタピラー」はドルトン・トランボ監督屈指の名作、『ジョニーは戦場へ行った』を彷彿とさせる反戦映画の衝撃作。題材的に作風の趣向はかなり異なるが、接点はある。物語の説明は他のレビュー様がわかりやすく紹介されておられるので省きますが、日本映画では久々に残酷と形容してもいい、鬼気迫る、本物の作品に出会えた。観る者の五感と心理を激しく揺さぶる、回想=(フラッシュバック)を多用した、特性な映像表現と妥協なしの悲痛なムードが戦争の悲惨さや苦悩、人間性のあるまじき異常な不条理を静かに訴える。単刀直入に言って、観るのがイヤになるほどインモラルなつくり方だが、決して眼を背けてはならない。戦争とは〈地獄〉である!★。

人を神とすることの恐ろしさ、不妊の妻への暴力の結果

↑この映画で、私は反戦ではなく、こんなことを考えていました。
確かに戦争がこの夫久蔵を四肢の無い芋虫のような姿で帰してよこし、妻シゲ子がその世話として犠牲になるのであるが、私には反戦よりも、その久蔵を村中で「軍神さま」として拝むシーンにぞっとした。人が人を拝むことがこんなにリアルに恐ろしく描かれたシーンを私は見た事が無い。そしてその「軍神」に崇め奉られた瞬間の久蔵の絶望的な表情も圧巻だった。
私は残念ながら久蔵に同情できなかった。特に冒頭のシーンで中国の婦女子を犯したこと。そして更に出兵前、妻シゲ子に「この石女(うまづめ)が!」と罵倒し、暴力を振るっていたシーンを見て、久蔵は自らの罪を償うためにこんな姿にさせられたのではないかと思いさえした。男性の女性に対する家庭内暴力の一つの形だと思った。この映画をこんな捕らえ方をしたのは私だけだろうか?
それにしても怖ろしい映画だった。私は一度見たが、また見直す勇気が無い。
けれど、見て良かったと思う。
戦争が人間を獣にしてゆく様、そして、人間のエゴがありありと描かれていた。
寺島しのぶの演技は圧巻だったと思う。
しかし、この作品を子供には強制しては見せたくないと思った。私は子供に見せるにはやはり四肢の無いショッキングな久蔵の姿や、余りにも露骨過ぎるセックスシーンは考慮すべき、はっきり言ったら大人になるまで見せるべきでは無いと思いました。
物凄いアピール力のある映画なのですが、毒も併せ持っていると感じましたので、子供に見せたくは無いと個人的には思います。けれど、一見に値するには十分な映画だと思います。その点で☆4つとさせて頂きました。

※寺島しのぶさんは凄い女優です。

映画館で観るのは憚られてレンタル解禁を待ちまして自宅で観賞しましたが、正解でした。
目の表情で演技をする戦時下の男と女の壮絶な物語がありました。
<軍神>は知りませんが、かつて神戸の繁華街に白衣姿の片足の無い
傷痍軍人の方が小箱を抱えて生活費を得られていた事をふと思い出しました。
あらすじは控えますが「久蔵役の男優は四肢がご不自由な方に違いない・・・」
と思う程、身体の切り口がリアルでした。
あとでインタビュー記事等を見まして五体満足の御方でした。CGだったのが
解せませんでした(^^;)
かつての中国での自分の蛮行に苛まれて苦しみ転げまわるシーンは熱演過ぎて観るのが
辛いものがありました。それを心から笑う妻の<産まず女>と昔、夫に暴力を受けた
仕返しにも似た態度で返すのです。が、やがて終戦、敗戦。国民は嘆き悲しみます。
久蔵は軍人らしく意外な方法で果てます。
※米軍による日本人BC級戦犯の処刑シーンがラストに数秒出ますが、後手に縛られ、黒布を顔に
数名の係員に囲まれ一気に下へ落とされて縄が撓む瞬間が当方の頭に鮮明に残りました。
♪ラストテーマが<元ちとせ>さんですが余韻の残る映画館の気分がそこで味わえました。
カラ―映画でありながらモノクロ映画を観たような〜CMの代わりに青空の場面が多かったような〜
そんなベルリン国際映画祭銀熊賞女優の渾身の作品は見て損はありません。
                               【 完 】

他の演者では演じきれない作品

話しの内容は分かっているのですが、寺島しのぶさんは本当に素晴らしい女優だった! 彼女は特に美人な訳でも、スタイルがいい訳でもないんだけれど、それが凄く!古き日本人を醸し出せる女優さんなんだなぁ…と思いました。 ただ綺麗で人気や知名度の高い女優さんが演じても、駄作に終わってしまった作品だと思います。 話的にはやはりラストなど、物足りないモノを感じましたが、邦画としては久しぶりに最後まで観れました(苦笑) 邦画にはここの所、トコトン!!裏切られてばっかりだったので…。 所々に挿し込まれた当時の日本の戦時下映像。人によってあの映像が必要であったのか不必要であったのか?思う所は色々ですが、私は効果的であったと思います。 毎年、原爆が落とされた夏や終戦記念日の頃になると、某TV局では当時の映像を様々な角度から観る事が多くなりますが、普段若い人達が戦争について学ぶ機会は徐々に減ってきていると思いますから…。 内容としては奥さんもツラいけれど…勿論、芋虫と化した旦那さんは…。 実際、自分があの時代にこんな状況下におかれたら…いっそのこと狂いたくなるかも知れない…。 今の時代と比べては想像できかねない心理状態。 夫婦間の心理作戦の連続でしょうね…? 愛しい人には変わりない。 憎き人にも変わりはない。 けれど、もうその相手は、抱き締めてくれる事も罵って罵倒してくれる事もないんですから…。 原爆の歌ですが、元ちとせさんの歌が忘れられない。 災害や被害も恐いけれど、戦争はもっともっと恐ろしいのだと感じさせる映画でした。 決して感動作では無いんです。 だから、そう言った戦争映画だと思って観るつもりの方にはオススメしません。 けれど機会があれば、1つの映像として身に刻むのも良し。と、私は思うのです。

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