実録忠臣蔵 [DVD]

実録忠臣蔵 [DVD]

実録忠臣蔵 [DVD]

DVD
監督:マキノ省三
出演:伊井蓉峰
メーカー:ディスクプラン
発売日:2009-04-25

商品詳細・現在価格
カスタマーレビュー

「日本映画の父」の、貴重な残滓

日本映画黎明期の「映画の父」マキノ省三畢竟の大作、であった「実録忠臣蔵」の貴重なフッテージである。であった、と過去形なのは編集中フィルムの取り扱い不注意から火事を起こし(当時のフィルムはセルロイド製のためよく引火した。当時はまだ編集用のポジを作ることはしていなかったため、ネガを裸電球に近づけて作業中、誤ってネガが電球に貼りついて引火した、とのこと)、マキノ邸は全焼し、フィルムも大部分失われてしまったので、これはその残ったフィルムを集めて公開したものを、更に再編集したもの、だからである。それが故にストーリーは繋がっていないし、編集にも難があり中身は大部分想像するしかない。しかしマキノの総力を挙げた貴重な作品の断片、としても「資料的」価値のある作品である。
冒頭浅野のワイロの少なさに怒る吉良の姿から始まるが、すぐさま松の廊下のシーンに繋がり、どういういきさつで刃傷に及ぶか、は想像するしかない。サイレント映画であるから音がないのは当然としても、会話の字幕も情景の字幕もない、全くの映像だけの進行は、忠臣蔵に関しどれだけ理解をしているか、観る側の判断力に委ねられるため、「忠臣蔵を知らない」人には何のことやら理解不能の作品である。「お馴染忠臣蔵」を「どの程度馴染なのか」で理解は異なるため、よほど忠臣蔵を好きな人、でないと観ても意味はない(例えば浅野の切腹のシーン、辞世の句を記す件は、句がアップになっても字が小さくて読めないが、これは「誰でも知っている文言だから」読めなくてもいいのだが、今では知らない人間の方が多いから説明しないと分からない、かもしれない)。突然早馬が駆け回ったり、突然酒を飲んで浮かれる侍が出てきたり、とにかく何の説明も字幕もなく場面が展開するから、忠臣蔵映画を何本か観て学習しておかないと展開は理解できない(中で女性が仏壇を開くと位牌が出てきて驚くシーン、これは私にも分からない。とにかく話が飛んでいて辻褄を合せるのに苦労する)。
そして突然討ち入りのシーンになり、雪の中斬り合う姿はサイレントでも迫力充分で、その部分だけでも見ごたえは充分、である。隠れていた吉良を見つけ出してメデタシメデタシ、なのだろうが、それに続くシーン、は説明がないと理解できないシークエンスになっており、なんだか分からないうちに「終」の文字が出て唐突に映画は終わる。
この後マキノの許からは片岡千恵蔵・嵐長三郎(後の寛寿郎)ら看板スターが大量脱退し、まさに「泣きっ面に蜂」状態で残された「幻の大作」の残滓がこの映画である。出演していた、筈の月形龍之介の部分は消失して残っていないし、オープニングのクレジットには嵐長三郎の名も見られるが、どこに出ていたのかフィルムの状態の悪さもあってわからない。ただほんの少しであるが、片岡千恵蔵の顔だけははっきり確認できる。戦後のでっぷり肥った姿しかお馴染ではないが、若い引きしまった千恵蔵の姿は貴重である。同じ戦前でも、「気まぐれ冠者」あたりでは既にふやけた感じになっているが、二枚目で凛々しい千恵蔵の姿は見ものである。また主税の役で、省三の息子正博の名前も見える。
社運をかけた大作(と自宅)の焼失・看板スターの相次ぐ脱退、という悲運の中残された貴重なフィルムであり、保存の悪さを差し引いても「時代」を感じさせる貴重な証言として価値がある、作品である。その父親の危機を救ったのが息子マキノ正博の「浪人街」であること、その後の日本映画の歴史を考えた上でも重要な意味がある。

商品詳細・現在価格
カスタマーレビュー

他にも…

あの頃映画 松竹DVDコレクション 元禄忠臣藏(前篇・後篇)<2枚組>
忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻 [DVD]
忠臣蔵 [DVD]
あの頃映画 「大忠臣蔵」 [DVD]
あの頃映画 忠臣蔵 花の巻・雪の巻 [DVD]
赤穂浪士 天の巻・地の巻 [DVD]
忠臣蔵 花の巻・雪の巻(2枚組)[東宝DVD名作セレクション]

淡路恵子 中村果生莉 乙羽信子 岩崎良美 円城寺あや こままりえ 研ナオコ 泉里香 小柳歩 楠トシエ 松井愛莉 早勢美里 松岡きっこ 十朱幸代 前田通子 国仲涼子 鈴木奈々 宮崎美子 川田あつ子 小林綾子 日本の女優DB

スマホアプリナビ
ITMS ミュージックランキング

男優一覧 女優一覧

日本映画・邦画ナビ