萌の朱雀 [DVD]

萌の朱雀 [DVD]

萌の朱雀 [DVD]

DVD
監督:河瀬直美
出演:國村隼
出演:尾野真千子
出演:和泉幸子
出演:柴田浩太郎
メーカー:バンダイビジュアル
発売日:2007-09-25

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カスタマーレビュー

カンヌ・カメラドール受賞作

この映画の魅力については、いろいろと評価されているのですが、最初見たときは、何と地味な映画なんだろうか、という感想でした。
すべてが、真面目に作りました、という感じで、派手なところが、一切ない。
おまけに、筋立ても一回見ただけではよく分からない、という構成に最初はやや戸惑いました。
しかも、役者はほとんどが素人で初々しく、録音は独特のオフ録音感覚。
ただ、観た後に何かが確実に、心に残る映画であることは確かで、映像の一コマ一コマが予感のように残りました。
このささやかな残り火のような感慨はいったい何だろう?とずっと考えながら、この監督の作品を追ってきました。
そして、先日、映画館で話題の「殯の森」を見ました。
この映画は結論から言えば、まさに現代では異質の傑作で、河瀬監督の「作家の魂」というものに深く心を揺さぶられる思いがしました。
デビュー作である本作に比べると、「殯の森」の映像の密度は比較にならないくらい濃厚で、録音も自然の音が生き生きと蘇るような生気を持って素晴らしいものでした。
役者は「役」という枠組を超えて、すでに映画の中に人物を生きている。
しかし、考えてみれば、すべては「萌の朱雀」で萌芽として露わになっていたんだ、と初めて気が付きました。
河瀬映画の「はじまりの映画」として、この「萌の朱雀」は、やや分かりにくい部分が確かにありますが、その映像の奥底を流れる「たましい」はやはり揺るがないものがある、と強く感じました。
それから、第三者として感じたことですが、読んでいて不愉快な中傷と作為ではなく、貴重なエネルギーは好きな映画のために使いませんか。

初心の映画

弱冠26歳でカンヌ新人監督賞を受賞した劇場映画第一作目。
映画技法としてはかなり未熟な点もあるが、その込められたその想いがじわじわと伝わってくる秀作。
吉野の山村に住む高校生みちると、その父母と祖母、父の姉の息子、が主な登場人物で、
物語は考え込むような複雑な心理劇ではなく、意外に素直に入り込める。
ただ、何気ない台詞を少しでも聞き逃すと、人物の関係や物語の結節点がやや分かり難くくなる。
この点がこの映画を見るときのポイントになるのかもしれない。
最新作「殯の森」の主演女優・尾野真千知子が演じる高校生みちるが初々しく、父親役の
國村隼も寡黙で孤独な人生を生きる父親を的確に演じている。
素人の俳優が中心になっているため、よく見るとぎこちなく見えるシーンも多々あるが、
そもそも河瀬監督は俳優に「上手く演じさせる」というスタンスを採っていないので、
それが解ればこの映画に対する見方はすっかり変わる。
訓練や演出の追い込みによって役者の演技を引き出すのではなく、その瞬間のリアリティー
を最大限に抽出しようとする直感的な意思を感じさせるタイプの監督なので、ふっと表れる
その場の空気を非常に大切にしている、ということが映像からも伝わってくる。
そういう意味で河瀬監督は、細部を丁寧に作り込む現実的な技巧派ではなく、いわば
「映像の向こう側」にあるものの比重が大きく、独自の世界を持っていることが分かる。
映像は「目に見える世界」がすべてだが、観客はそれぞれの心のスクリーンに
その映画を写し換えて見ている。
それぞれの人の想いが投影されることによって、ようやく映画は完成する。
映画の時間は観た人の中でそれからも続いていく。
自分にとっていい映画とはそういうものではないだろうか。

私の好きな映画。

10年くらい前、史上最年少でカンヌの新人監督賞を受賞、という話題性につられて見に行きました。『萌の朱雀』は今でも私にとって、とっても好きな映画のひとつです。物語は非常に淡々としていて、見方によってはあっさりし過ぎている印象さえを受けるのですが、どこかに独特の感性を感じさせてくれる映画です。最初の『萌の朱雀』から次の『火垂』、そして2002年の『沙羅双樹』へと続く流れの中で、(この順序が大切!)『火垂』だけは、暴力的なシーンでやや抵抗感が残り、ついていけない思いもありました。最新作の『もがりの森』は、残念ながらまだテレビでしか見ていませんが、いままでの集大成といってもいいくらい、内容の濃い映画だと感じました。河瀬監督の映画は、その内に秘められた力が伝わるかどうかで決定的に好き嫌いが別れるのだろうと思います。細かいディテイールよりも力感で押してくるタイプですね。どちらにしても、観客に考える余地と機会を与えてくれる貴重な監督だと思います。
吉野の美しい山々の映像と、生きるのに不器用な慎ましい人々のものがたり。河瀬直美監督の最初の劇場作品である『萌の朱雀』がDVDになるのはとてもうれしく、そして待ち遠しいことです。

喪失と無常

ひとつの家族の朝の光景がはじまる。 釜戸のある土間、やがて朝の食卓が、丸いちゃぶ台に揃う。
開け放たれた障子と窓の向こうに、視界を遮るものなく悠然と緑の山肌が見渡せる。
家族は常にこの風景と共に暮らしている。
しかし、この映画の家族の静かな暮しは、過疎という時間の進行からも、やがて解体へと進むのだが。
台詞が抑制され、物語は極端に感じられる寸前まで説明描写を避けて省略の形をとっている。
そのぶん観客は集中力と静かな観察眼が必要だ。己の雑念を排して映画を凝視していなくてはいけない。
「省略」がとっても大好きなぼくも、この登場する家族の関係も、時間の経過も、読みとり、想像力でついていくのに、ちょっと労を要した。
しかし、物語は元来曖昧なままで観続けていて良い場合も多い。はっきりと説明されるものであれば、映像として感じとっていく観客の力はいらないだろうから。
音の繊細さ脆弱さ、物語が寡黙な表情で語られるようなフイルム映像を堪能するには、静かな環境がこちらも必要だ。
ドキュメンタリーを思わせる感触ではじまるのだけれど、やがてひとつの家族の物語が愛おしく大切に語り終えられていくのを感じる。
やがて不在となる父親、不在その後のそれぞれの家族の、その思いが静かで悲しくて、解体していく家族のかたちが儚くて、とても切ない。それは「無常」という思いの姿、域までも感じさせる。
思えば、この映画の描く喪失感にも、静かに耐えていくような、おばあちゃんの姿も心に残る。

繊細にエロティック

日本人なら誰でも感じ、心の中で各々が大切にする、
どこにでもある風景、細やかな密度の空気、木漏れ日の記憶、
つかもうと思うと逃げてしまう。捉えられるのは「詩」だけ。
そういう「あの感覚」を、
男性で、音楽で表すと坂本龍一になって、
女性で、映像で表すと河瀬直美さんになる感じ。私にとっては。
1997の公開当時、
ハリウッド的ざっつえんたーていめと視法で見始めてしまった私の目には、最初わかりにくかった。
それでも細やかな空気の描写が忘れられなく、
夜の止まり木で泣く少女と対峙する青年のシーンなど、大切な感じがして繰り返し観たりした。
尾野真千子さんばかりクローズアップされているようだが
妻役の女性に魅了されてたまらない。
あの日本人女性ならではの品、ものごし、口調、適度にいそうな村の美人さ加減。たまらない。
バイクにのれる?と聞かれ、「のれるよ」と応えるあの物言い。悔しいくらい可愛い。
河瀬直美さんの生い立ち自身が、この映画の大切なプレリュード。
幼い頃両親が離婚し親戚の家で育ちその後養女に。
フランス人に受けたとしても河瀬直美さんは外国向けに日本的映像を押し付けた訳ではないし、意図もしていない。
最初前評判だけ聞いた時は「青いパパイヤの香り」と同じ理由でフランスに受けたのかと思ったが、全く違う。
河瀬直美さんの現在の夫君と話す機会があり、思い出したように再度見てみた。
最初見た時にはわからなかった細やかさを今回ちゃんと受け止められ、繊細な快感に脳みそがぼうっとなった。
邪道なのですが私にとってはとても扇情的な映画です。こういうエロティシズムが好きなもので。
妻役の女性のたまらなさもたまらん、のですが、
冒頭でえいちゃん少年の下半身が初登場するシーン。
半ズボンから伺える少年の股間のしわ加減から始まり、
私にとって全編(笑)、(すみません・・・)、非常に繊細にエロティック満載な映画です。
日本にしかないから。あの細やかな感覚の密度。

夏を撮る監督であるということ

 本作で 河瀬の作品を見るのは3作目である。
 いつもながら河瀬は夏を撮るのが上手い監督だ。彼女が舞台としていつも選ぶ奈良という場所が夏が似合うからなのかもしれないが 河瀬が切り取る夏のみずみずしさは際立つ。小さい頃に過ごした夏の草いきれと音を感じさせられた。
 ストーリーに関しては 中々分かりにくいという指摘は正しいと考える。セリフが極端に少なく 物語を追う手掛かりも結論もない。父親が実際にはどうなったのかも含めて河瀬は説明しない。この ある種の不親切さも 河瀬の一つの特徴だ。
 但し そういうストーリー性を排した部分に 河瀬の映画の良さもある。決して万人向けの作風ではないし ある意味で 非常に極私的な映画を河瀬は強く志向している。そういう 偏屈さが 例えば欧州の映画祭で受けているのかもしれない。例えば 同じく欧州で人気を博している北野武の映画も あきらかにそういう部分はある。
 

静寂の中から生まれるもの

静かな映画だ。
つぶやくように発せられる少ない台詞。
風鈴、蝉時雨、夕立・・・自然の音が強く印象に残る。
余分な説明を削り取ることによって生まれた余白の中で、私たちは自分の人生を重ね合わせて味わうことができる。
おばあちゃんのいる家というのは、なんて優しく温かな空間なんだろう・・・。
「気ぃつけりぃよ」「おかえり。風呂、入りよ」いつも家にいて、家族の気持ちにただ寄り添ってくれる。
8ミリカメラだけを携えて家を出て行く父を何も言わずにただ見送るおばあちゃんの表情は、父の死を予感しているようにも見える。
父が最期に遺した8ミリフィルムを観終わった後、みちるが何かをふっきるようにカーテンを開け、母が父の好きだったレコードに針を落とす・・・家族の再生を予感させる印象的な場面だ。
みちるの出発を見届けた後、縁側に腰掛けてわらべ唄を口ずさむおばあちゃんの表情には、役目をやり終えた解放感と、その虚ろな眼差しの先にはあちらの世界にいるおじいちゃんや父の背中が見えているようだ。

映像が先、物語はあと

徹底してストーリーの分かりやすさを拒絶した映画です。
でも退屈はしません。情感のにじみ出るシーンがいくつもあるからです。ファーストシーンの台所でのおばあさんと嫁の後姿、老人ホームへ行くことになった隣家のおじいさんの深々と下げられた頭、泣きながら坂道を降りていく嫁。
河瀬監督は、いつか見た情景、脳裏に焼きついて離れない場面を映像化したかった、そしてそれらをつないで一応のストーリーをつけたんではないかと思います。ストーリーに収まりきらなかったシーンを遺留品の8ミリフィルムに焼き付けたのではないか。それらを観客と共有したかったのではないかと。
忘れられないシーンがあったら、監督の狙い通りです。

言葉がなくとも

映画館で見ました。奈良の過疎村に住む一家の物語。それぞれに胸の痛みを抱え、それでも寄り添って生きている。ときには楽しい時間を過ごすが、村の衰退は父親の心を壊してしまう。かろうじて支え合っていた一家が揺さぶられる。分かれていく。言葉はない。言葉はなくとも、個々の表情や仕草や森の緑から、画面全体から、悲しみがあふれ出す。それでも生きていく。それが人間であるということ。河瀬監督にはこれからも変わらず、ご自分の道を貫いてほしいと思う。すばらしい映画だった。DVD化は喜ばしいこと。

外人は騙せても、、、

カンヌ(フランス)受けするであろう日本文化の画き方(切り取り方)がお上手ですが、
本物の田舎を知っている日本人にとってはわざとらしくて鼻についてしまいます。
まだまだ若い監督ですからこれからの成熟が楽しみです。

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